公開仏教文化講演会・9月(2009)
今回の講演では、武蔵野大学教授として教鞭を振るわれ、さらには国際真宗学会会長でいらっしゃいます、ケネス 田中氏をお招きして、『オーシャン・アメリカにおける浄土真宗入門』という講題の下、ご講演をして頂きました。
お話と致しましては、まず、私たち日本人が、米国で息づいている浄土真宗を学ぶ意義について、お話下さいました。
日本においては、戦後、個人化・米国化が極めて深刻に進んで問題となっておりますが、その発端たる米国において、浄土真宗が彼ら米国人にもたらした事とは何か、またそれは、米国化が進んでいる日本においても重要な事ではないかというものでした。
続けて、米国での浄土真宗の始まりや、その後の発展について、色々とお話下さいました。
1890年代~1900年初頭にかけて、サンフランシスコにおいて布教が始まり、今に至るそうです。
さらに、浄土真宗の根幹的な教えを「溺れる船乗り」や「黄金の鎖の輪」という喩え話を用いて、ご説明下さいました。
この二つの喩え話は、ちょっと簡潔に申しますと、「溺れる船乗り」の話が自力から他力への転換についてであり、「黄金の鎖の輪」の話は仏教における空という概念についてであったかと思います。
そして最後に、米社会での浄土真宗の実際の立場はどうなっているのかというお話をして下さいました。
一言、今回の講演会の感想を申しますと、日本に住んでおりますと、世界的な視点に置ける浄土真宗というものが見えないものでして、今回のケネスさんのお話には、驚かされるものばかりでした。
やはり、自分の中だけでの了解というのは限界があるものだと感じました。
今まで自分自身の中で済ませていた事が、あるきっかけで他者に指摘される事で、初めて気づかされたり、改めて気づかされたりという事があるんだと、それが今回の講演会で考えさせられました。
目から鱗とは、この様な事なのかもしれませんね。
ケネスさん、アメリカンジョークを交えながらの楽しく深いお話、どうもありがとう御座いました。
そして並びに、今回の講演会にご協力下さいました多くの方々、さらに来場し聴聞しておられました皆様方にも、この場を借りまして、感謝申し上げます。
次回の講演会については、また、ブログ上でご案内させて頂きます。
次回の公開仏教文化講演会にも、是非、どうぞ足をお運び下さい。
お待ちしております。